しあわせになる英語 English for Happiness

日曜更新。人生に役立つバイリンガルの学び。

瞑想のコツは、何かを達成しようという思いを手放すこと。「マインドフルネスを始めたいあなたへ」その3

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ただひたすら、今ここにあることに意識を向ける。それが瞑想だと言いますが、
実践は言葉ほど簡単ではありません。どのような心構えで行なえば上手く行くのか、
マインドフルネスの基本を解説している、ジョン・カバットジンの著作からご紹介
します。

 

New Yorker cartoon:
Two Zen monks in robes and shaved heads, one young, one old, sitting side by side
cross-legged on the floor. The younger one is looking somewhat quizzically
at the older one, who is turned toward him and saying: “Nothing happens next.
This is it.”

雑誌『ニューヨーカー』の漫画より:

袈裟を着て頭を剃った、年配と若者の禅僧二人が、床に足を組んで座っていました。
若い僧侶がいぶかしげに年寄りの僧侶を見ており、年配の僧侶は、振り返って次の
ように言っています。「次に起こることは何もない。まさにこれがそのもの
なのだよ」。

 

It’s true. Ordinarily, when we undertake something, it is only natural to expect a desirable
outcome for our efforts. We want to see results, even if it is only a pleasant feeling.
The sole exception I can think of is meditation. Meditation is the only intentional,
systematic human activity which at bottom is about not trying to improve yourself or
get anywhere else, but simply to realize where you already are.

まさにそのとおりです。通常は何かをすると、その努力に値する結果を期待するのが
自然です。それがたとえ喜びの感情を味わうだけであろうと、結果を得たいと思うもの
です。ただ、私が思い当たるたった一つの例外が、瞑想です。瞑想は根本的に、自分を
改善しようだとか、何かを達成しようなどといったことを目指さず、単にあなたが
今どこにいるのかを悟るだけの、意図的であり体系立てられた唯一の人間の活動です。

 

Perhaps its value lies precisely in this. Maybe we all need to do one thing in our lives
simply for its own sake. But it would not quite be accurate to call meditation a “doing.”
It is more accurately described as a “being.” When we understand that “This is it,”
it allows us to let go of the past and the future and wake up to what we are now,
in this moment.

おそらくその価値は、まさにここにあるのです。もしかしたら、私たち誰もが人生の
中で、たった一つのことをそれだけに集中して行なう必要があるのかもしれません。
しかし、瞑想を「行なうこと」と呼ぶことはいまひとつ正しくはないでしょう。「存在
すること」といった方が、より正確に表現することができます。「まさにこれが
そのもの」ということを理解することができたとき、私たちは過去と未来を手放し、
今の私たち、この瞬間に目覚めることができるのです。

 

People usually don’t get this right away. They want to meditate in order to relax,
to experience a special state, to become a better person, to reduce some stress or pain,
to break out of old habits and patterns, to become free or enlightened.

これをすぐに理解できる人はなかなかいません。人は、リラックスするため、特別な
状態を経験するため、よりよい人間になるため、ストレスや痛みを軽減するため、
古い習慣やパターンを打ち破るため、自由になるまたは悟りに達するために瞑想を
したいと思うものです。

 

All valid reasons to take up meditation practice, but all equally fraught with problems
if you expect those things to happen just because now you are meditating. You’ll get
caught up in wanting to have a “special experience” or in looking for signs of progress,
and if you don’t feel something special pretty quickly, you may start to doubt the path
you have chosen, or to wonder whether you are “doing it right.”

これらすべては、瞑想を始めるのにもっともな理由ですが、それと同時に、もしあなた
が瞑想をしたからといってこれらのことが起こると思ってしまったら、問題をはらむ
ことになります。「特別な経験」をしたいだとか、進展の兆しを探すだとかに囚われて
しまい、すぐに何か特別なことを感じないと、自分が選んだ道を疑い始めたり、自分が
「ちゃんとできているのか」と、あれこれ考え始めてしまいます。

 

In most domains of learning, this is only reasonable. Of course you have to see progress
sooner or later to keep at something. But meditation is different. From the perspective of
meditation, every state is a special state, every moment a special moment.

学びのほとんどの領域において、この考えは妥当といえます。当然、何かを根気よく
続けるためには、どれだけ進んだか遅かれ早かれ知りたいものです。しかし瞑想の
場合、話は違います。瞑想の視点からすれば、すべての状態が特別な状態であり、
すべての瞬間が特別な瞬間なのです。

 

When we let go of wanting something else to happen in this moment, we are taking
a profound step toward being able to encounter what is here now. If we hope to go
anywhere or develop ourselves in any way, we can only step from where we are
standing. If we don’t really know where we are standing――a knowing that comes
directly from the cultivation of mindfulness――we may only go in circles, for all
our efforts and expectations. So, in meditation practice, the best way to get somewhere
is to let go of trying to get anywhere at all.

この瞬間に何か他のことが起こってほしいという願いを手放すとき、今ここにある
ものに直面するための意義深い一歩を踏み出すことになるのです。前進したいとか、
何らかの形で自分を成長させたいと望むなら、今いるところから一歩踏み出すしか
ありません。もし今いるところ――マインドフルな意識を高めることによってわかる
こと――さえよくわからないのであれば、せっかくの努力や期待にもかかわらず、
ぐるぐると同じところを回り続けるだけとなります。ですので、瞑想の実践において、
何かを達成するための最善の方法は、何かを達成しようという思いをすべて手放して
しまうことです。

 

いかがでしたか?「思いを手放す」とは「無心」に近い境地かもしれませんが、かなり
難しいかと思われます。いろいろ悩んでいたある日、ふと「フッきれた」時があって、
その時に書いた詩があります。ご一読いただければ幸いです。

 

                        A Will

 

何も信じない          I believe nothing.

何も疑わない          I doubt nothing.

ただ                        I just accept things as they are

あるがままを          With gratitude and

感謝して受け入れ   Enjoy every moment of my life

その時その時を       Positively.

前向きに楽しめば   That’s all.

それでいい

 

Wherever You Go, There You Are

Wherever You Go, There You Are

 

 

 

マインドフルネスを始めたいあなたへ 毎日の生活でできる瞑想:Wherever You Go, There You Are

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腦の中のエンドレステープを止める。「マインドフルネスを始めたいあなたへ」その2

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マインドフルネスの瞑想が、脳の疲れを減らし、集中力を養うことに効果があるのは、
すべての余計な思考を「止める」から。禅僧ティク・ナット・ハンは、そのことを
「脳の中のエンドレステープを止める」と巧みに比喩していますが、マインドフルネス
大流行のきっかけをつくった、ジョン・カバットジンの、同じ内容に関する解説を
バイリンガルでご紹介します。原文に触れることで、理解を深めていただけたら
幸いです。

 

We tend to be particularly unaware that we are thinking virtually all the time.
The incessant stream of thoughts flowing through our minds leaves us very little respite
for inner quiet. And we leave precious little room for ourselves anyway just to be,
without having to run around doing things all the time.

私たちは、実質的にいつでも何かを考えているということに、とりわけ気づかないで
いる傾向にあります。絶え間なく次から次へと心に浮かんでくる考えのおかげで、
私たちの心は静かにしている暇があまりありません。そして、常に何かしらやりながら
走りまわることなくただそこに存在するためだけの、貴重な小さい空間からも、私たち
は出て行ってしまうのです。

 

Our actions are all too frequently driven rather than undertaken in awareness, driven
by those perfectly ordinary thoughts and impulses that run through the mind like
a coursing river, if not a waterfall. We get caught up in the torrent and it winds up
submerging our lives as it carries us to places we may not wish to go and may not even
realize we are headed for.

私たちは常に意識的に行動をとっているというより、まるで滝か流れる川のように
心を走り抜ける、ごくごく普通の考えや衝動にいつも駆り立てられて行動しているの
です。そして私たちは激流に巻き込まれ、その激流によって、いきたくないところや
向かっているとさえ気づかないようなところへと連れていかれ、私たちの人生は
沈められてしまいます。

 

Meditation means learning how to get out of this current, sit by its bank and listen to it,
learn from it, and then use its energies to guide us rather than to tyrannize us.
This process doesn’t magically happen by itself. It takes energy. We call the effort
to cultivate our ability to be in the present moment “practice” or “meditation practice.”

瞑想とは、この流れから抜け出し、岸に座り、耳を傾け、そこから学び、制圧される
のではなく導いてもらうためにそのエネルギーを使うにはどうすればいいかを学ぶこと
です。この過程は、まるで魔法のように勝手に起こるわけではありません。エネルギー
が必要です。今のこの瞬間に存在するための能力を養う努力を、私たちは「行」や
「瞑想の実践」と呼んでいます。

 

People think of meditation as some kind of special activity, but this is not correct.
Meditation is simplicity itself. As a joke, we sometimes say: “Don’t just do something,
sit there.” But meditation is not just about sitting, either. It is about stopping and
being present, that is all. Mostly we run around doing. Are you able to come to a stop
in your life, even for one moment? Could it be this moment? What would happen
if you did?

瞑想というと人は、何か特別な活動なのではないかと思うものですが、厳密にそうとも
いえません。瞑想とは、シンプルさそのものです。私たちは冗談でこんなことを
いったりします。「何かをするのではなくて、ただ座りなさい」。とはいっても、
瞑想はただ座ればいいというわけでもありません。瞑想とは、立ち止まり、その瞬間に
存在するということ、それがすべてです。私たちは通常、忙しく何かをして過ごして
います。あなたは自分の人生の中で、一瞬でも立ち止まることができますか?今この
瞬間にできますか?もしそうしたら、何が起こるでしょうか?

 

TRY: Stopping, sitting down, and becoming aware of your breathing once in a while
throughout the day. It can be for five minutes, or even five seconds. Let go into full
acceptance of the present moment, including how you are feeling and what you perceive
to be happening. For these moments, don’t try to change anything at all, just breathe and
let go. Breathe and let be. Die to having to have anything be different in this moment;
in your mind and in your heart, give yourself permission to allow this moment to be
exactly as it is, and allow yourself to be exactly as you are. Then, when you’re ready,
move in the direction your heart tells you to go, mindfully and with resolution.

エクササイズ

一日の中でときおり、立ち止まり、座り、そして呼吸に意識を向けてください。
五分でも、五秒でもかまいません。自分が何を感じているか、そして何が起こって
いると感じるかを含め、今この瞬間をすべて受け入れるよう身を委ねてください。
そうしている間、何かを変えようとせず、ただ息をして手放してください。呼吸をして
そのままにしてください。この瞬間、何でもいいから変えたいという衝動を抑え、
あなたの頭と心の中で、この瞬間をまさにこのままにしておくこと、そしてありのまま
の自分でいることを自分自身に許してあげてください。そしてあなたの準備が
できたら、あなたの心が訴えてくるその方向へと、マインドフルかつ毅然と
進んでください。

 

Wherever You Go, There You Are: Mindfulness meditation for everyday life (English Edition)

Wherever You Go, There You Are: Mindfulness meditation for everyday life (English Edition)

 

  

マインドフルネスを始めたいあなたへ 毎日の生活でできる瞑想:Wherever You Go, There You Are

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「マインドフルネスを始めたいあなたへ」その1。基本的な考え方。

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アメリカで出版されるや、75万部を売り上げてベストセラーのリストにのぼりつめ、
その後20か国以上の言葉に翻訳されて、今でも世界中の人々の「生き方」を変え続けて
いる、ジョン・カバットジンの著作。同著者の「マインドフルネストスレス低減法」と
ともに、世界的大流行に大きく貢献した名著の内容を、バイリンガルでご紹介します。
まずは、著者のマインドフルネスに対する基本的な考え方から。

 

I like to think of mindfulness simply as the art of conscious living. You don’t have to be
a Buddhist or a yogi to practice it. In fact, if you know anything about Buddhism, you will
know that the most important point is to be yourself and not to try to become anything
that you are not already.

私は、マインドフルネスとは単に、意識的に生活する術であるととらえています。
実践するために、仏教徒であったり、ヨガ行者であったりする必要はありません。
実のところ、もしあなたが仏教について何かしら知っているのであれば、もっとも
重要なボイントは、自分自身でいることであり、今のあなた以上の何者かになろうと
努力しないことである、ということがわかるでしょう。

 

Buddhism is fundamentally about being in touch with your own deeper nature and letting
it flow out of you unimpeded. It has to do with waking up and seeing things as they are.
In fact, the word “Buddha” simply means one who has awakened to his or her own true
nature.

仏教徒は根本的に、自分の中にあるもっとも深淵な本質と触れ合い、それが自分の中
からスムーズに外へと流れ出るようにさせることです。覚醒し、物事をそのままの状態
で見ることです。実は「仏陀」という言葉は単に、自分の本質に目覚めた者、という
意味なのです。

 

So, mindfulness will not conflict with any beliefs or traditional――religious or for that
matter scientific――nor is it trying to sell you anything, especially not a new belief
system or ideology. It is simply a practical way to be more in touch with the fullness of
your being through a systematic process of self-observation, self-inquiry, and mindful
action. There is nothing cold, analytical, or unfeeling about it. The overall tenor of
mindfulness practice is gentle, appreciative, and nurturing. Another way to think of it
would be “heartfulness”.

つまり、マインドフルネスはいかなる信念や伝統――宗教や、ついでにいえば科学で
さえも――と対立するものではなく、あなたに対して何か、特に新しい信念体系や
イデオロギーを売りつけようとするものでもありません。これは単に、自己観察、
自己への問いかけ、マインドフルな行動という体系的なプロセスを通じて、自分の
存在の豊かさとより深く触れ合う実用的な方法です。そこには、冷酷で、分析的で、
無感情なものは何ひとつありません。マインドフルネスの実践における全体的な主旨
は、穏やかで、感謝や温かさにあふれたものです。他の言葉で表現するなら、
「心がこもっている」ということです。

 

 

いかがでしたか?このブログでは、今までマインドフルネスについて多くの記事を紹介
してきましたが、ティク・ナット・ハンなど「仏教」からのアプローチがほとんど
だったと思います。今回からは、それとは別の角度の切り口で書かれた著作に
なります。そもそも、仏教に対する私の姿勢は、実は、揺れていて、信じたい、
帰依したいという気持ちと、全面的に信じるのではなく、その実用的な部分、自分の
人生をより良い方向に導いてくれるノウハウだけを「ちゃっかり」取り入れたいという
気持ちが相半ばしているのです。恥ずかしながら、そんな心理状態で書いた詩が
ありますので、宜しかったらご一読ください。

 

 

                           

                            You’re the one who can make it.

 

ちょっと冷たい言い方かも          It may be a little bit indifferent saying,

知れませんが                               But it is sure that you are the only person

あなたを幸せにできるのは         Who can make you happy.

あなたしかいません

                                                    Not your father,

お父さんでも                               Not your mother,

お母さんでもなく                        Not your big brother,

お兄さんでも                               Not your big sister,

お姉さんでもなく                        Not your younger brother and sister,

弟や妹でもない                            Not your lover and spouse,

恋人や夫や妻や                            Not your child,

そして我が子でもなく                 Not your boss and staff, of course,

もちろん上司でも部下でもない   And for some people

そして人によっては                     Not God and Buddha but you are

神様でも仏様でもなく                 The only being that makes you happy.

自分を幸せにできるのは

自分しかいない                            Just from when you realize

                                                      And determine to accept this,

そう覚悟を決めた時から               You can step forward

あなたは確実に                             To happiness for sure.

幸せに向かって

一歩踏み出している

と思うのです

 

 

 

 

Wherever You Go, There You Are: Mindfulness Meditation In Everyday Life (English Edition)

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マインドフルネスを始めたいあなたへ 毎日の生活でできる瞑想:Wherever You Go, There You Are

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時間に追われていると感じるとき、本来の自分を取り戻す簡単な方法。「ブッダの時間」その21

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何かに急かされて、自分を見失いがちな時に、たった数分で、本来の自分を取り戻す
方法があると言います。アメリカ生まれのチベット僧ラマ・スールヤ・ダスの著作
「人生を劇的に変える<ブッダの時間>」よりご紹介します。

1. Take a few slow, centering breaths.

一 深呼吸をゆっくりと、何度かくり返します。

 

2.Relax, and focus your mind on a point in the center of your hand.

二 身体の力を抜き、心をてのひらの一点に集中させます。

 

3.Imagine that you are sending breath right into that point and that it is expanding
and getting warm.

三 その一点に息を吹き込んでいると想像します。するとその中心が広がり、温かく
感じてくるはずです。

 

4.After a minute, compare the feeling in that hand with the other.

四 一分後、もう片方の手と感覚の違いを較べます。

 

5.Rest at ease, and gently experience whatever it is, basking in the afterglow.

五 リラックスして、今経験したことをそのまま受けとめ、余韻にひたります。

 

Most people who try this exercise feel some kind of sensation――heat, prickling,
pulsing, or vitality――in the point, where the mind was focused. The science of
biofeedback is based precisely on the fact that people can use their minds to direct
attention to specific areas of the body in order to lower blood pressure, slow heart rate,
and decrease pain.

この方法を実践した人の多くが、集中した箇所に熱や刺激、脈打つような<気>など、
何らかの変化を感じています。人間には精神の働きを駆使して特定の場所に意識を
集中し、血圧を下げたり、心拍数を減らしたり、痛みを抑える能力があるのです。

 

Once you have learned to center yourself in the midst of time pressure and stress,
you can compassionately spread this feeling of relaxation outward, and benefit others
by helping them get in sync with you. When you’re speaking with a rushed or agitated
friend or colleague, for example, take a deep breath, connect to your higher Self, and
modulate your voice and breathing in an upbeat and calm way. This allows the other
person to entrain to your more deliberate and skillful pace, and is beneficial and
productive for both of you. Try it and see.

時間的なプレッシャーやストレスのただ中にも、自分を自分として感じることが
できるようになったら、慈しみをもってその心の平穏を外に広げ、周囲の人々と
シンクロすることで、良い影響を与えることができます。時間に追われて浮き足立って
いる友だちや同僚と話すときにはより高い<自分>とつながり、声を抑え、軽やかに、
そして静かに呼吸します。そうすれば、その巧みなペースに相手もいつしか同調して、
お互いに有意義で価値のある経験となるでしょう。その効果のほどを是非試してみて
ください。

 

Buddha Standard Time

Buddha Standard Time

 

  

人生を劇的に変える〈ブッダの時間〉

人生を劇的に変える〈ブッダの時間〉

 

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待ち時間を楽しむ智慧とコツ。退屈や焦り、苛立ちから解放される方法。「ブッダの時間」その20

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銀行やレストラン、スーパーマーケット、病院などで長い列に並んでいるあいだ、
時間を上手に使う技術があると言います。時間の主導権を、時計の針ではなく、
あなたが握るための実用的な方法を、アメリカ生まれのチベット僧ラマ・スールヤ・
ダスが紹介してくれています。

 

 1.PICK THE LONGEST LINE AT THE CHECKOUT COUNTER.

That way, you won’t be disappointed. And to your surprise, you may find that it moves
more quickly than the lines around you. Smile at the frustrated customers (that used
to be you!) who picked the shortest one. By just walking to the back of the longest line,
you can transform the atmosphere in the room, slow down the pace, and change
people’s perception of time.

一 レジカウンターで、一番長い列に並ぶ。

順番が遅くなったからといって、がっかりしなくてすみます。それに、ひょっと
したら、他の列よりも意外に進みが早いかもしれませんよ。かつてのあなたのように、
一番短い列を選んでイライラしている他の買い物客に、余裕の笑みを向けましょう。
一番長い列の後ろに着くという、たったそれだけのことで、まわりを取り巻く空気が
一変します。流れがゆるやかになって、時間に対する認識が変わります。

 2.CHANT SILENTLY.

Chant “Om mani padme hum,” the main Tibetan Buddhist mantra, or any other calm,
peaceful chant, to soothe your mind and spirit and bring you back to center.
Or memorize and recall your favorite poems.

二 心の中でマントラ真言)を唱える。

チベット仏教でもっとも重要とされる「オム・マニ・ペメ・フム」もしくは他の
心休まる詠唱でもかまいません。心や魂を静めて、もう一度、自分を自分の中心に
戻します。好きな詩を覚えたり、思い出したりするのもいいでしょう。

 

3.DISCOVER THE SPACE AROUND YOU――the rhythm of the sounds, the texture
of the setting, the voices and movement of those in your midst coming and going. Don’t
label. Simply relax into time and take it all in.

三 まわりの空間を見出す。

周囲の音のリズム、待っている場所の内装が持つ感触、心に浮かんでは消えていく
動きや、内なる声を感じます。それらを判断したり、分類したりしてはいけません。
ただ、時の中でリラックスして、すべてをありのままに受け入れます。

 

4.DO THE SHUNI MUDRA, HOLDING THE TIPS OF YOUR MIDDLE FINGER AND
THUMB TOGETHER.

This is a classic hand gesture or silent meditation for cultivating patience. These fingers
are associated with the lung meridian and the heart governor meridian, respectively, and
will harmonize your breathing, circulation, and Chi energy flow. This works anywhere,
anytime: in line, arguing with your spouse, meeting with your boss, or jetting across
the country.

四 中指と親指の先を合わせて、印を結ぶ。

印とは古くから伝わる、手のポーズ(印)を用いた沈黙の瞑想法で、忍耐力を養う
効果があります。二本の指はそれぞれに、手の大陰肺経(たいいんはいけい)と手の
厥陰心包経(けついんしんぽうけい)につながっていて、呼吸と血行、気の流れを
整えます。この瞑想は時と場所を選びません。列に並んでいるときも、夫婦げんかの
最中や上司とのミーティング、飛行機で移動しているあいだでも行なうことが
できます。

 

Buddha Standard Time

Buddha Standard Time

 

  

人生を劇的に変える〈ブッダの時間〉

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理不尽な要求に対してノーと言う。自分の時間を確保するためのガイドライン。「ブッダの時間」その19

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人の時間や労力をみやみにあてにする、無理矢理な、つまらない頼みごとを断る
ためのガイドライン。その人との健全な人間関係は維持しつつ、自分の大切な時間を
守るための、けじめのつけ方を、アメリカ生まれのチベット僧ラマ・スールヤ・ダス
が、教えてくれています。

 

1.Are you healthy and strong enough to do what is asked? If your physical, emotional,
spiritual health is low or inadequate to the task, that alone rules it out. If someone needs
to be driven somewhere or wants you to help them move and you’re feeling depleted,
tell the person that you don’t feel good enough, that you’re sorry but you’re not up to it.
Similarly, if the weather makes it difficult or dangerous to do someone a favor,
turn it down. Maintain healthy boundaries and expectations. Nowhere is it written that
you have to be a hero. And as we’re already learned, compassion begins with yourself.

一 頼みごとを引き受けるだけの健康と体力を持ちあわせていますか?もし、肉体的、
情緒的、精神的に不安があるなら、断る理由はそれだけで充分です。友人から車を
出してほしい、引越しを手伝ってほしいと頼まれても、自分が疲れているのなら、
相手にそれを率直に伝えましょう。申し訳ないけれど、今日は無理だと言うのです。
同じように、悪天候のせいで困難や危険を伴うといったときも同様で、大切なのは、
人と健全な関係を保って、相手に過度の期待を抱かせないことです。英雄になる必要
などありません。さきに学んだように、思いやりとは、まず自分をいたわるところ
から始まります。

 

2.Is the request on your time reasonable? In other words, is it clear, concise, and
limited? You don’t necessarily want to commit to a vague or open-ended task like
watching someone’s child whenever a parent gets in a bind. Don’t shy away from
clarifying what specifically is involved, how long it will take, who will pay
for any expenses, such as gas.

二 頼まれた内容は理にかなっていますか?分かりやすく、簡潔で、自分にこなせる
量でしょうか?たとえば、「わたしが忙しいとき、うちの子をお願い」といった、
条件があいまいな依頼に気前よく応じることはありません。具体的にどのような
内容で、どれほどの時間を要するのか、ガソリン代などの諸経費を誰が負担するのか
などは、遠慮せずに確認しましょう。

 

3.Is the request petty? Now, this can get tricky, because what’s petty to you may seem
vital to someone else. But if you are being asked to chauffeur, shepherd, mother, or fill in
for someone to enable that person to evade responsibility――for example, driving
a teenager to a party so he can get drunk or stoned――then you might well decide
to draw the line. This become an exercise in distinguishing the self from the Self, and
small, ordinary, sequential time from larger cyclical or timeless Time by keeping in mind
the bigger picture and long-term consequences.

三 つまらない用事を押し付けられていませんか?さて、ここが難しいところです。
自分にはつまらないと思えることが、相手には重要なことかもしれません。でも、
車の運転や留守番、子どもの面倒など、他人の責任逃れの埋め合わせとして代役を
頼んでくる場合、たとえば、飲酒や薬物を摂取するのを承知の上で、十代の子どもを
パーティーへ送り届けるといった用事は思い切って断りましょう。常に広い視野、長い
スパンでものごとをとらえるように心がけます。それが<小さな自分>とより高い
<自分>、普段、刻々と過ぎる時間と、めぐる無限の<時>とを区別して考える練習にも
なります。

 

If these criteria are met, then by all means give freely of your time, energy, money,
support, encouragement, help, and love. But if not, step back. Find a way to give
a constructive, affirmative “No thank you” in answer to the request. In case of a child,
friend, or someone else with whom you have a custodial or closely interdependent
relationship, explain clearly why the proposed activity is not in your or their best interest
and politely decline, perhaps adding the phrase “for now.” In the case of someone who
is argumentative, aggressive, or dependent, avoid disagreeable discussions that further
drain your energy. Simply withdraw to an inaccessible high ground or keep a safe
physical and/or emotional distance. Say yes to your Self by gently saying no
to unreasonable demands and expectations.

これらの基準に則った頼みごとなら、どうぞあなたの時間、労力、資金などを
費やして、大いに相手を支え、励まし、助け、慈しんであげてください。もし、
そうでなければ、すみやかに身を引くべきです。前向きな表現で、気持ちの良い
断り方を探しましょう。相手が子どもや友人、部下、持ちつ持たれつの親しい関係に
ある場合には、それを引き受けることがあなた、またはお互いになぜ良いことでは
ないのかを、分かりやすく示し、ていねいに断ります。「今日のところは」といった
言葉を上手に活用するのもよいでしょう。なかなか分かってもらえなかったり、攻撃的
だったり、依存傾向の強い相手との、労力をさらに消耗するような不愉快な言い合いは
避けましょう。相手が近づくことのできない高みまで退いて、物理的、感情的にも距離
を保ちます。理不尽な要求や期待におだやかに「ノー」と言うことで、より高い<自分>
に「イエス」と言おうではありませんか。

 

Buddha Standard Time

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人生を劇的に変える〈ブッダの時間〉

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死の危険から自らを救った瞑想。ある仏教徒の実話。「ブッダの時間」その18

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生きるか死ぬかの場面に遭遇した時、恐怖の感情に打ち勝ち、その時なすべきことに
集中する。ふだんから、マインドフルネスの瞑想を訓練している人には、それができる
という実例を、アメリカ生まれのチベット僧ラマ・スールヤ・ダスが紹介してくれて
います。

 

I read the news about a fifty-two-year-old construction worker in China named
Wang Jianxin who was assigned the job of digging a ditch sixteen feet below
the ground. He got to work with just a shovel and a plastic safety helmet. Suddenly,
a huge wall on one side of the ditch collapsed, burying him under an enormous pile
of earth.

かつて、五十二歳の中国人労働者の王建新(ワン・ジェンシン)の話が大きな話題に
なったことがあります。王さんは、地下約六メートルに溝を掘る建設作業をして
いました。シャベルを持ち、プラスチックのヘルメットをかぶって作業を始めた
とたん、いきなり傍らの壁が崩れてきて、膨大な量の瓦礫の下敷きになって
しまいました。

 

The rim of Wang’s helmet trapped a tiny pocket of air near his face. Doctors later
reported that he had about five minutes’ worth of oxygen. A practicing Buddhist,
Wang knew that fear and panic would accelerate his breathing. When he found himself
in heavy blackness, he let himself drop into concentrative meditation, intentionally
calming his thoughts and his energy, and thus slowing down his breathing and heart rate.
He trusted that eventually he would be freed, especially if he prolonged his air supply
this way.

ヘルメットのひさしのおかげで、顔の周りにわずかな空間が確保されたものの、
事故の後、医師の話によれば、酸素はほんのわずか、たった五分間分しかなかった
そうです。仏教徒として修行していた王さんは、恐怖やパニックに陥ると、呼吸が
荒くなることを知っていました。そこで暗闇の中で集中瞑想に入り、湧きおこって
くる思いやエネルギーを静め、呼吸数と心拍数を抑えるよう努めました。酸素の
消費量を減らせば、やがて救い出されると信じたからです。

 

It took a crew two hours to dig him out, and they found Wang alive and conscious!
The deep calm and discipline achieved through years of meditative practice saved
his life.

生き埋めになって二時間後、救助隊に助け出されたときの王さんは生存どころか、
意識まではっきりしていました。冷静な心と長年の瞑想の訓練が王さんを救ったの
です。

 

Wang’s response to his crisis was both instantaneous and automatic, a result of years
of dedicated practice. Experienced meditators are trained to recognize the truth or reality
as it presents itself in each moment. Wang’s training had taken him to a point of absolute
conviction. He knew his inner strength and that he could use his disciplined mind
to concentrate on slowing his physical system to improve his chance of survival.
At the same time, such training would also prepare him to accept the possibility of
a peaceful transition into death.

王さんの危機への対処は迅速かつ自発的で、その判断は、長年にわたる熱心な訓練の
たまものでした。長年瞑想を続けると、その時々に現れる真実や現実をすみやかに
認識できるようになります。しかも王さんは、そのことにゆるぎない信念が持てる
まで、自分を訓練しており、自らの内なる力を知っていました。訓練された心で体内の
動きを抑えれば、生き残るチャンスも高くなることが分かっていたのです。それと
同時に、王さんには安らかに死に移行する心の準備もできていました。

 

Such groundedness is the essence of what we call presence, and you can develop it,
too. An individual with presence controls his or her destiny, always, even unto death.

このゆるぎなさこそが、<在ること>と呼ぶものの本質で、誰にでも培うことが
できます。今を生きる人は、常に自分の運命を支配します。そしてたとえ死を前に
しても、そのゆるぎなさが変わることはありません。

 

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人生を劇的に変える〈ブッダの時間〉

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